リーダーシップ力を向上させたい方に知ってほしい「PM理論」

こんにちは!

まーさんです。

 

 間もなく4月を迎え、多くの企業で期が変わり、組織が新しい体制に変化する時期になりました。

 昇格されて役割が上がり、管理職となる方や初めて部下を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

 本日はそういった管理職やリーダーの方が知っておくと役に立つ考え方をご紹介したいと思います。

 

1、リーダーシップは身に付けられる
2、リーダーに求められる2つの能力 ~PM理論とは~
3、リーダーシップを身に付ける方法

 

1、リーダーシップは身に付けられる

 

リーダーや管理職になると、自分のリーダーとしての力量に直面します。

 

メンバーが言うことを聞いてくれない。

メンバーが理想通りに動きをしてくれない。

メンバーと関係性が希薄で、

チームの雰囲気が悪い。

 

まあ、挙げればきりがないぐらい様々なことに悩みます。


そして考えるわけです。

 

どうすればリーダーシップの力を向上できるのか?


こういった考えに至ればいいのですが、
私を含めて多くの管理職の方が考えるのは

 

 私にはリーダーは向いていない。
 私にはリーダーの資質が無い。

 

みたいに思ってしまいます。


こういった考えを持っているとき、前提に「リーダーシップは先天的に保有しているものだ」という考えがあると思います。

 

リーダーシップ運命論(?)
リーダーシップ宿命論(?)
リーダーシップ決定論(?)

 

 表現は何でもいいのですが、要するに「リーダーシップは生まれ持ったものだ」「持っていない人はリーダーになれない」「なっても周囲に迷惑をかけるだけだ」となるわけです。


 実際、リーダーシップに関する考え方は時代を通じて変化していて、昔は上記のように“資質”に焦点をあてた考えが主流だったようです。

 そんな中で「リーダーシップは鍛えられる」と後天的に身に付けられる“行動”に着目した研究者が現れます。

 

それが、PM理論を提唱した三隅ら研究者の皆さんです。

 

リーダーシップを習得するヒントが詰まった考え方なので、続きを読んでみて下さい。

 


2、リーダーに求められる2つの能力 ~PM理論とは~


リーダーはどのような能力を発揮すればいいのか?

 

その指針を与えてくれるのがPM理論です。


PM理論は日本人社会心理学者である三隅二不二(みすみじゅうじ)によって提唱されたリーダーシップ論です。

 

その特徴は、リーダーの能力を「P機能」(Performance function:目標達成機能)と「M機能」(Maintenance function:集団維持機能)の2つの要素から分析する点にあります。

 

PM理論では、PとMの能力の高低によりリーダーの典型を4つに分類することができ、能力の大きいものを大文字で表し、小さいものを小文字で表現します。
 

PM理論(リーダーシップ 4つの分類)

PM型  理想とされ成果を上げさらにチームをまとめあげる力も備えている
Pm型  生産性は高いが、チームの維持する能力に欠ける
pM型  チームをまとめる力はあるが、高い成果を上げることができないpm型  生産性・チームをまとめる力ともに欠いたリーダー 

 

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PM理論

 

 元々は実験室での研究部門と製造部門における監督者を対象にした現場研究が中心として行われました。その後に、医療組織、教育現場(教師)、地方自治体の管理職、政党、宗教団体、学生のクラブ組織など研究対象が拡げられていきました。

 数々の研究の結果、リーダーの行動が、職場における業績や生産性、部下の意欲や満足度、事故発生件数など、組織運営に欠かせない重要な要因に大きな影響を及ぼすことが示されてます。

 具体的には上記の4つのタイプ分類(PM型・Pm型・pM型・pm型)のうち、部下(組織のメンバー)に及ぼす影響は、大きい順番に並べると下記の通りになるそうです。

 

 部下に与える前向きな影響の大きさ

 PM型 > pM型 > Pm型 > pm型


 PM型が最も優れた影響を及ぼすことは直観的に想像できると思いますが、pM型(つまり集団維持機能に重点を置いたリーダー)とPm型(つまり目標達成機能に重点を置いたリーダー)を比べた時に差が生じることに関してはいろいろな意見が出ると思います。

 

 私自身も管理職の役割についていますが、個人的な経験を振り返ると、20代の頃はPm型として影響力を発揮することがチームの業績に繋がると信じて実践していました。

 しかし、目標達成機能にばかり囚われると、ものすごくチームの人間関係や雰囲気が悪くなり、結果的にメンバーのやる気が低下することも経験しました。

 30代に入り、少し気持ちに余裕ができたのか「チームの業績を出さなければ」と囚われている自分にも気づけるようになり、メンバーとの関り方を変えていくようになりました。すると、チームの雰囲気が良くなり、チームが掲げる目標に対してもメンバーが前向きに捉えて取り組む流れができ始めました。

 このことは私だけではなく、私が関わる企業の経営者や管理職の方々にもあてはまるのだと、後々知ることになりました。

 メンバー時代に優秀な業績を出すハイパフォーマーな方は、評価されてリーダーに昇格されると、とたんにパフォーマンスが下がる場合があります。そういった方に共通することは“成果結果に囚われている”ということです。

 「急がば回れ」という言葉がありますが、チームの業績を向上させるために、まずはチームの人間関係に焦点をあてて信頼関係をつくることに時間をかけることは、中長期的に見るとチームが成果を出し続ける上で大切なのだと自分の経験から考えるようになりました。

 

 そういった意味では、PM理論は私や私が関わるリーダーの経験を説明する上で非常に役に立つものだと感じます。

 

3、リーダーシップを身に付ける方法


 PM理論の考え方にもとづいてリーダーシップを磨くために、まずはご自身が4つの分類のどのあたりの影響力を発揮しているか認識することが大切だと思います。

 

例えば、下記のようなテーマで自分自身を振り返るとよいのではないでしょうか。


【P機能:目標達成機能】
・チームのビジョンをメンバーに伝えられているか?
・チームの目標を具体的に示せているか?
・目標達成に向けた行動計画を設定できているか?
・メンバーの仕事の内容について必要に応じて指摘できているか?
・業務の生産性を上げるための改善に取り組めているか?
・メンバーに組織のルールを守るように働きかけができているか?

 

【M機能:集団維持機能】
・メンバーと気軽に話し合うことができているか?
・メンバーを信頼しているか?
・メンバーの能力を認めているか?
・元気のないメンバーを励ますことができているか?
・メンバーが困っているときに支援をしているか?
・チームの方針を決める際にメンバーに意見を求めているか?


 こういった指標でご自身の日々の実践を振り返ることで、今後成長させるべきテーマが見つかりやすくなります。

 少し勇気がいることですが、こういったテーマで部下の方からフィードバックをもらうのも一つの方法です。

 

 半期に1回、人事考課の面談などをやる機会があると思います。

 

 上司から部下を評価する機会だと思うのですが、そういった機会に上司である自分自身が部下の方からどのように見えているのか教えてもらうのです。

 始めは言いにくそうにする部下の方もいるかもしれませんが、上司の側が素直に受け止めようとすれば、言葉にしてくれると思いますよ。

 これも私自身が経験してみて、ものすごく効果があったのでおすすめします。
 私の場合はメンバーが遠慮することなくビシビシとフィードバックしてくれたので、はじめて取り組んだときは涙が出そうでしたが、素直に自分自身と向き合うことができました。
 そして、部下との関係性も変わりました。距離が近づいたんですね。意図していませんでしたが、フォードバックをもらったことで私自身のM機能を伸ばすことに繋がったのです。

 


本日は以上です。

 

ありがとうございました!