イノベーションは手放すことから始まる【センシング】_U理論[第二版]
こんにちは!
まーさんです。
本日は書籍の紹介です。
コロナの影響で世界中が大きく変わっています。
ある経営者の方と話をしたら「5年で起こる変化が、2か月で起こってしまった。」と表現されていました。
そんな変化が激しい世の中で、“変化するのを待つ人”ではなく“変化を生み出す人”を目指したい人におすすめの書籍をご紹介します。
それではどうぞ!
著者であるオットー・シャーマー氏は世界中の様々な分野で活躍するリーダーやイノベーターを共にプロジェクトに取り組んだり、インタビューを重ねる中で「人や組織、そして社会において変容やイノベーションを起こすプロセス」を理論化した。
ここで言う“変容”や“イノベーション”は、私たちがやりがちな“改善”とは異なる。
いわゆるPDCAサイクルを回して、計画を実行し、より良いものに磨き高めることで生まれるものではない。
ここで言う“変容”や“イノベーション”とは「過去の延長線上にない未来」を生み出すことだ。
改善は過去に起こったことを振り返るプロセスを必要とする。言い換えると「過去からの学習」によって行うことができるのだ。
しかし、変容やイノベーションは「出現する未来からの学習」によってしか得られないと著者はいう。
“出現する未来からの学習”なんて可能なのだろうか?
簡単ではないと思う。
しかし、著者は変容を促すプロセスを整理し理論化し、少なくとも私たちが実践するヒントを与えてくれる。
変容は以下の3つのプロセスで経て起こる。
1、センシング:ただ、ひたすら観察する
2、プレゼシング:一歩下がって、内省する。内なる「知」が現れるに任せる。
3、クリエイティング:素早く、即興的に行動に移す。
これだけ聞くとよく分からない。
今日は第1段階の「センシング」について見ていこう。
このプロセスでは「ただ、ひたすら観察する。」ことの重要だという。
それは、私たちが持つ先入観や偏見を観察することを意味する。
なぜ観察が重要かというと、私たちは“ありのままの事実”を見ていないからだ。
知らず知らずのうちに“過去の経験”によって身に付けた色眼鏡で物事を見てしまう。
先入観や偏見もった目で物事を見ると何が起こるだろうか?
例えば、会社の同僚が新しい商品アイデアを社内で披露したとしよう。
アイデアを聞いた人たちが「似たような商品は既に世に出ているよなぁ」「そんなことやっても、どうせできやしないよ」「またこの人は余計なことを言って」と心の中で思ってしまう場合がある。
そして、その同僚には「なかなか面白そうだね」「上司に提案してみたら」などと当たり障りのない言葉をかけて会話を終わらせようとする。
こういったやり取りは先入観や偏見の色眼鏡によって物事を見ているせいで、これ以上の進展は起こらず、ましてやイノベーションなど夢のまた夢である。
他にも自部署の部下のパフォーマスが低く、悩んでいる状況を想像してほしい。
あなたがその部下の上司だとすると「なぜ、あいつは言ったことができないんだ」「何度言わせるんだ」「どうせ、あいつには無理だ」と心の中で思ってしまうかもしれない。
この場合もその部下との関係性が発展的なものになることは無いだろう。
以上のような場合には“自らの変容”が必要だ。
では、どうすれば変容・イノベーションが起こせるのか?
自分が持つ先入観や偏見を、ただひたすら観察しなさい、と著者は言う。
・それは違う・・・
・そんなんじゃ上手くいくはずがない・・・
・その話は聞いたことがある・・・
・いつもあいつは・・・
・どうせ・・・に決まっている
このように私たちの内側では、たえず「相手や状況を批判したり判断したりする声」や「相手や状況を皮肉ったり、諦めたりする声」があることに気付く。
このうち“内なる声”に気付かず放置すると、心は自動再生機能を使って永遠にリピートし、自分自身の先入観や偏見をより強固なものにしてしまうのだ。
だからこそ、内なる声に気付き、観察する必要がある。
観察を徹底すると、内なる声に囚われず、真に大切なことが見えてくる。
その先に、今までの延長線上に無い新しい可能性が立ち現れるのだ。
次回へ続く・・・
本日は以上です。
ありがとうございました!