手放すと新しい未来が立ち現れる【プレゼシング】_U理論[第二版]
こんにちは!
まーさんです。
前回に引き続き、今回も書籍『U理論』のご紹介です。
前回の記事はこちらです。
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前回に引き続き書籍『U理論』の紹介です。
著者であるオットー・シャーマー氏は世界中の様々な分野で活躍するリーダーやイノベーターを共にプロジェクトに取り組んだり、インタビューを重ねる中で「人や組織、そして社会において変容やイノベーションを起こすプロセス」を理論化した。
ここで言う“変容”や“イノベーション”は、私たちがやりがちな“改善”とは異なり、
“変容”や“イノベーション”とは「過去の延長線上にない未来」を生み出すことだ。
変容は以下の3つのプロセスで経て起こる。
1、センシング:ただ、ひたすら観察する
2、プレゼシング:一歩下がって、内省する。内なる「知」が現れるに任せる。
3、クリエイティング:素早く、即興的に行動に移す。
今日は第2段階の「プロゼシング」について見ていこう。
前回紹介した第1段階「センシング」を徹底して行うと、囚われている自分に気付く。
それと同時に、恐れが心をもたげてくるという。
・自分が“あるやり方”に囚われていることは分かった。でも、この方法を変えたらパフォーマンスが下がってしまうのではないか?いや、やっぱり今まで通りのやり方の方が安全だし・・・
・自分が“管理職とは●●であるべきだ”という考えに固執していることは分かった。でも、今更その考えを曲げたら、周囲から白い目で見られるのではないか?いや、やっぱり今までの考え方で間違っていないはずだ・・・
そうやって、過去から積み重ねてきた考え(囚われ)を手放すことに恐れが沸き起こる。
この状態に至ると変容の第2段階「プレゼシング」の準備は整ったことになる。
あとは手放せるかどうかなのだ。
手放すことは怖いことだ。とても恐ろしく感じる場合さえある。
しかし著者は言う。
leadやleadershipの語源であるインド・ヨーロッパ語の、leithは、「出発する」、「出発点(敷居)を越える」、または「死ぬ」という意味だ。時に、何かを手放すということは「死ぬ」ように感じることもある。しかし我々がUの深いプロセスから学んだことは、何かが変わらなければ、つまり、敷居を越えなければ、新しいものは出てこられないということだった。
囚われを手放す方法はいろいろあるだろう。
先の例で言うと、過去からのやり方を白紙に戻し、失敗を承知で新しいやり方を模索する機会をつくることかもしれない。
場合によっては「自分はある考えに固執してマネジメントが機能していなかった。みんなに迷惑をかけた。」と部下に謝ることかもしれない。
このように利己的でエゴイスティックな“小さな自己”に縛られず、囚われを手放すと
心が開放的になり、余計なことを考えず、物事の本質が見えてきて、新しい何かにチャレンジする意欲や、人を受容できる心ができてくる。
この状態を著者は「“大きな自己”で自分を満たした状態」と表現した。
ここまでくれば、何をすべきか自ずと見えてくる。
その見えてきた“何か”を形にしていくのが、次回紹介する第3段階「クリエイティング」である。
次回へ続く・・・
本日は以上です。
ありがとうございました!