成果が出るチームのつくり方【後編】

こんにちは!

 

まーさんです。

 

それでは、前回の続きです。

 

前回は“人の集まり”が“成果を出すチーム”に進化するプロセスについてご紹介しました。 

 

▼前回の記事はこちら

 

chemchemkun.hatenablog.com

 

本日は、チームを進化させる方法についてご紹介します。

 

1、チームづくりをするリーダーが“はまらないといけない”落とし穴

2、落とし穴から抜けるポイント

3、チームを進化させる方法 

 

 

1、チームづくりをするリーダーが“はまらないといけない”落とし穴

  

チーム発足からすぐに成果を出せるチームになればいいのですが、そう簡単ではありません。

 

前回ご紹介したチームの進化プロセスを順に通過していく必要があります。

 

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この4つのフェーズの中で、リーダーが一番苦しむのが「混乱期」です。

 

なぜなら、

 

・チームの成果が停滞して思うように上がらない

・メンバー同士の意見が対立してギスギスしている

・意見をぶつけ合うならまだしも、当事者に伝えられなかったことは陰口として広がる

・メンバー同士で「あの人は変わらない」「あの人どうせ〇〇をやってくれない」など決め付けや諦めが生まれる

・チームの目的・目標よりも、メンバーが互いの行動や考えを気にしてしまう

 

というようなことが起こるからです。

 

チームがこのような状況になるとリーダーの気持ちが沈みます。

 

中には「自分はリーダー向いていない」などと弱気になったり、

「うちのチームには良いメンバーがいない」とメンバー批判が始まったりします。

 

リーダー本人の心中は「落とし穴にはまってもがいている状態」と言えるほどに落ち込んだりします。

 

ところが、このフェーズは進化のプロセス。

 

ここを避けては通れないのです。

 

そう、避けては通れないのです。

(2回言いましたw)

 

だから、もしこの落とし穴にはまっている方がいたら、その方に言いたいのです。

 

「はまって良かったですね。」

 

苦しいけど、はまらないと次に行けないのですから。

 

 

2、落とし穴から抜けるポイント

 

では、どうやってこの落とし穴から抜けたらいいのか?

 

それは「焦って抜けようとしないこと」です。

 

この混乱期という落とし穴から抜けようともがくとき、リーダーがやりがちなことがあります。

 

・チームの成果が停滞して思うように上がらない

 →だから「うちのチームは上手くいっている」と無理なアピールが始まる

 →もしくは、成果が出ていない状況を見て見ぬふりをする

 

・メンバー同士の意見が対立してギスギスしている

 →だから波風を立てないように穏便に物事を進めようとして、リーダーも意見を伝えない

 →もしくは、言うことを聞いてくれないメンバーを無視して勝手に物事を決めて共有もしない

 

・意見をぶつけ合うならまだしも、当事者に伝えられなかったことは陰口として広がる

 →だからリーダー自らがストレスに耐えかねて、陰口の発信者となってしまう

 

・メンバー同士で「あの人は変わらない」「あの人どうせ〇〇をやってくれない」など決め付けや諦めが生まれる

 →だから信頼できないメンバーを(心中で)切り捨てる

 

・チームの目的・目標よりも、メンバーが互いの行動や考えを気にしてしまう

 →だからメンバーをルールで縛り、チームの緊張感が増す

 

このように混乱期から抜けようと焦ると、問題を悪化させることも多いのです。

 

上の例を見て、お気づきの方もいるでしょうか?

 

混乱期の問題を悪化させているのは、リーダーが“メンバーと向き合ていないこと”から生じることが多いのです。

 

向き合わずに、自分一人で物事を進めたくなってり

向き合わずに、伝えるべきことを伝えずに済ませたり

向き合わずに、聞くことを聴かずに済ませたり

向き合わずに、他の誰かに愚痴を吐いたり

向き合わずに、心の中で切り捨てたり

 

向き合わずに、相手は変わらないと決めつけたり、相手はやってくれないと諦めたり、してしまうものなのです。

 

混乱期はメンバーと向き合うことを避けては通れないということです。

 

落とし穴にはまって苦しい状況なのは分かるのですが、その状況に一時的にどっぷりつかってみる必要があります。

 

もっとド直球に言うと、「メンバーと向き合うことから逃げないでください。」ということ。

 

ではどうやって、メンバーと向き合うのか?

 

私がおすすめしたいのは、メンバーと「対話」することです。

 

対話には様々な定義がありますが、対話とは「自分の内側を分かち合うこと」だと思っています。

 

・今の部署やプロジェクトの進捗や状況をメンバーがどのように捉えているかご存じでしょうか?

 (自分が部署やプロジェクトの進捗や状況をどのように捉えているか、メンバーに伝えているでしょうか?)

・最近、メンバーが仕事にどのような気持ちで取り組んでいるかご存知でしょうか?

 (自分がどのような気持ちで仕事に取り組んでいるか、メンバーに伝えているでしょうか?)

・メンバーが大切にしている価値観をご存知でしょうか?

 (自分が大切にしてる価値観をメンバーに伝えているでしょうか?)

・ メンバーがどのような成長を望んでいるかご存知でしょうか?

 (自分がどのような成長を望んでいるか、メンバーに伝えているでしょうか?)

 

こういった自分の内面になるものを、日常業務を通じて共有する機会は少ないと思います。

 

そういった内側にあるものを分かち合うことで、相手に対する“決め付け”や“諦め”が緩和されます。

 

正直に言うと、対話するのが手間だったりします。

 

また、対話するとメンバーの内側にあるドロドロしたものwと直面せざるを得ない場面もあります。

 

それでも向き合わないと、チームは進化しないのです。

 

 

3、チームを進化させる方法 

 

対話を実践するにあたり、おすすめしたいことが2つあります。

 

ぜひ、下記の2つを意識して取り組んでみて下さい。

 

1、自己開示する

2、フィードバックする

 

 

1、自己開示する

 

先ほども伝えた通り、対話とは自分の内側にあるものを分かち合うことです。

 

例えば、メンバー一人ひとりがどのような気持ちや考え、価値観を持っているのか共有する時間をつくってみて下さい。

 

そうやって、相手に自分を開示する機会が対話には必要です。

 

でも自己開示をするのは、時に勇気がいります。

 

「こんなこと言って大丈夫だろうか?」と気になるわけです。

 

だから、自己開示を促すリーダーがは「聞いた話を口外しない」「聞いた話を否定しない」など、配慮が必要になります。

 

場合によっては、リーダーが自らが自己開示することで、メンバーの自己開示が促されるケースもありますよね。

 

 

2、フィードバックする

 

対話の中では、メンバーに対して感じていることや伝えたいことが自分の内側にある場合には、しっかりと届けることが大切になる場合もあります。

 

・メンバーが発揮している強みや長所

・メンバーに対する感謝

・メンバーがさらに成長するためのテーマ

 

伝える際は、メンバーやチームが成長することを目的に伝える必要があります。

 

ただ、こういったフィードバックは、ポジティブなフィードバックならいいのですが、「相手に改善してもらいたい点」など伝える場面では配慮が必要となります。

 

自分の短所を言葉にされるわけですから、嫌がる人もいます。

 

それでも伝えないといけない場面があるわけです。

 

 

もしフィードバックが苦手な人がいたら、ぜひおすすめしたい手法があります。

 

「Iメッセージ」で伝えるというやり方です。

 

例えば、あなたの業務の進め方について同じチームメンバーから下記のようなフィードバックを受けたとしましょう。

 

A:あなたの業務の進め方は効率が悪いから、〇〇から手を付けてもらえますか?

B:私が取り組むなら〇〇から手を付けるやり方もあると思うのですが、どうですか?

 

A:あなたの意見には反対です。

B:私は〇〇の方が良い案だと思います。

 

Aは「あなた」が主語で始まる文章になっている一方で、Bは「私」が主語になっています。

 

このように「私(I)」を主語にして伝えることで、相手に批判的なニュアンスが伝わりにくくなり、不要な対立にエネルギーを割く必要が無くなります。

さらに、相手にフィードバックする心理的負担も緩和されるのではないでしょうか。

 

 

以上のように、チームを進化させる際に混乱期にはまった方は、焦らず、メンバーと向き合うことに時間を割いてみてほしいのです。

 

その際、お伝えした自己開示やフィードバックができるような機会をチーム内で意識的につくることで、次のフェーズにチームが進化することを促すことが出来ます。

 

 

本日は以上となります。

 

ありがとうございました!

 

<参考>
Tuckman, Bruce W. (1965) "Developmental sequence in small groups"

www.semanticscholar.org