新入社員研修でよく見る「メラビアンの法則」は誤解されているかもしれない
こんにちは!
まーさんです!
間もなく、各社が新入社員を迎え入れる時期がやって参りました。
例年はバタバタと全国を飛び回って新入社員の皆さまの研修を実施している時期ですが、今年は新型コロナウイルスの影響で、研修日程を延期される企業様も多く出ています。
毎年の忙しさを思うと少し違和感と寂しさを感じる今日この頃。。。
本日は新入社員研修で研修講師がよく伝える「メラビアンの法則」についてご紹介します。
1、マナー研修でよく聞く「メラビアンの法則」とは
2、誤解されている(かもしれない)メラビアンの法則
3、メラビアンの法則はコミュ力向上のヒントを与えてくれる
1、マナー研修でよく聞く「メラビアンの法則」とは
この法則を耳にしたことがあるビジネスパーソンも多いはず。
それもそのはず、新入社員研修やビジネスマナーをテーマとした書籍や研修によくよく出てくるキーワードです。
こんな感じで紹介されています。
これから社会人として多くの人と関りを持つ皆さんに知っておいていただきたい法則があります。
それが「メラビアンの法則」です。
これは、アメリカのアルバート・メラビアンが唱えた法則で、話し手が聴き手に与える影響を実験結果にもとづいて数値化したものです。
この法則によると、人は相手の「外見」から55%も影響を受けるそうです。
例えば、髪型、メイク、目線、姿勢などなど。目から入る情報が相手に与える印象に大きな影響を与えます。
次に大きな影響を受けるのが「声、話し方」で、38%の割合を占めます。
その場に合った声の大きさや話し方ができているか?そういった耳から入る情報が相手に大きな影響を与えます。
そして最後に「話の内容」です。人に与える影響で言うと7%を占めます。
特にヒジネスシーンにおいては、相手に与える印象が大きな意味を持ちます。あなたがどのように素晴らしいソリューションを持っていても、外見や話し方によって相手に不快な思いをさせては印象を大きく落としてしまいます。
だからこそ、ビジネスマナーをしっかり身に付けていきましょうね。
こんな感じで講師はお話されます。
2、誤解されている(かもしれない)メラビアンの法則
私も営業をやっていますし、社内外の方と沢山コミュニケーションを取るので「外見」や「声の大きさ」「話し方」などの非言語コミュニケーションは大切だと実感しています。
ただ、よくよく考えると
「『話の内容』が相手に7%しか影響を与えていない」というのは言い過ぎでは。。。?
「見た目や話し方で9割以上の影響を相手に与えてしまう」というのも無理がある気がする。。。
と30歳を過ぎたあたりから思い始めました。(遅w)
そんなことがきっかけで、数年前にメラビアンがどのような実験をしたのか調べてみたんですね。
以下、実験の概要をご紹介します。
1、メラビアンは「矛盾したメッセージ」を人がどのように受け止めるか実験で調べたかった
2、実験の準備
・「言語情報」として、「好意」「中立」「嫌悪」がイメージされる言葉を3つ用意する。
・「聴覚情報」として、上記の言葉をそれぞれ「好意」「中立」「嫌悪」をイメージされる話し方で録音する。
・「好意」「中立」「嫌悪」を表す表情の顔写真を用意する。
3、実験
・準備した音声と写真を様々な組み合わせで被験者に示す。
(例:好意がイメージされる「言葉」で、嫌悪をイメージされる「話し方」、中立を表す「表情」の顔写真を組み合わせて被験者に提示する。)
・提示した後で、被験者が「好意」「中立」「嫌悪」のどの感情を受け取ったのか質問する。
4、実験結果
・「(音声から発せられた)言葉」「(音声の)話し方」「(写真の)表情」の3つの情報が一致していない場合、被験者が受け取る感情に影響を与えるのは、表情>話し方>言葉の順番だった。
・その割合を整理すると「(音声から発せられた)言葉」から7%、「(音声の)話し方」から38%、「(写真の)表情」から55%となった。
まさか。。。メラビアンさん。。。
めちゃめちゃシンプルな実験じゃないですか!?
この実験結果から「見た目や話し方が9割以上の影響を与えますよ。」と教えていた自分がちょっと恥ずかしくなりました。。。
そして、研修でメラビアンの法則はしなくなりましたとさ。
3、メラビアンの法則はコミュ力向上のヒントを与えてくれる
とまぁ、メラビアンの法則を研修で語ることは無くなったのですが、それでもこの法則はいろいろな示唆を与えてくれます。
個人的に学びになったのがコミュニケーションを「言語表現」と「非言語表現」に分けて考える視点を提供してくれることです。
コミュニケーション力を向上させたい方は、「言語表現」と「非言語表現」に分解して考えることが役に立つと思います。
例えば「言語表現」を向上させることを考えます。会話に使用できる語彙が豊富であったり、話しの内容が論理的で分かりやすいと相手も理解しやすくなりますよね。
ただ「言語表現」のみを重視し過ぎると、プレゼンテーション時に声が小さかったり、接客対応時に無表情だったりと、相手に与える印象が期待外れになるケースもあるのではないでしょうか。
もう一方の「非言語表現」を意識して学生が就職面接にのぞむのであれば、面接官の質問に大きな声でハキハキと笑顔で受け応えできれば、好印象を与えられるかもしれません。
ただしこの場合も「非言語表現」のみに重きを置いて「言語表現」が疎かになると、話しの中身が薄く、論理薄弱で説得力に欠けることしか話せないかもしれません。
過去の経験や個人のタイプによって得意不得意があるのは当然です。自分が苦手とする方を意識的にトレーニングすることで、ご自身の影響力を向上させることに役立つはずです。
さらに、「言語表現」と「非言語表現」に一貫性を持たせることで、相手に自分が伝えたいメッセージがパワフルに伝えられるのではないでしょうか。
大きな案件で先方にプレゼンテーションを行う場面。
伝えたいメッセージを、これら2要素に分解して、それぞれをどのように表現するか考えるのです。
どのような構成で、どのような順番で、どのような言葉選びで伝えるか?
どのような話し方で、どのような声の大きさで、どのような表情で、どのような服装で伝えるか?
伝える内容に関わるオプションを複数見出すことができます。
本日は以上です。
ありがとうございました。