アフターコロナに向けて働き方改革に備える
こんにちは!
まーさんです。
コロナの影響で多くの企業で働き方の変革が求められていますね。
私も含め、周囲でも在宅ワークに切り替わり戸惑いの声もよく耳にします。
ただ、この変化は働き方改革を促進するチャンスとも捉えられると思います!
“アフターコロナ”において「日本の働き方が前向きに転換したね」と言えるような日を迎えるためにも、今の内から準備をしていきましょう。
今日は私たちの働き方が変わらないといけない社会的背景と、どのように変わっていくべきなのか考えていきたいと思います。
1、日本も経験した“経済が発展する”人口ボーナス期
2、人口ボーナス期は終盤になると経済発展にブレーキがかかる
3、日本は真っただ中!“経済が停滞する”人口オーナス期
4、人口ボーナス期・オーナス期に求められる働き方
1、日本も経験した“経済が発展する”人口ボーナス期
人口ボーナス期は「特徴的な人口構成のおかげで、ボーナスを沢山もらえる時期」と表現できると思います。
デビッド・ブルームとジョセリン・フィンレイ(ハーバード大学)は論文の中で、1960年から2005年のデータを分析した結果「アジア全域、特に東アジアの急速な経済成長の主な原因は“人口ボーナス”にある」と提唱しました。
人口に占める働き手の割合が非常に高く、高齢者が少ない時期は国がめちゃ儲かるという考え方です。
【人口ボーナス期のポイント】
・この時期にある国には安い労働力が溢れているため、世界中の仕事が集まってきます。
・しかも、高齢者が少ないので、仕事で生まれた利益(税収)を社会保障にあまり回す必要がありません。
・結果的に利益(税収)をインフラ投資に回せるわけで、経済成長が加速度的に進みます。
実は、中国やシンガポール、タイなどは現在この人口ボーナス期にあると言われています。
(確かに、めちゃくちゃ経済が過熱している気がする)
また、中国は間もなくボーナス期が終わり、代わって、インドがボーナス期に入っていく時期のようです。
日本の場合、このボーナス期は。。。
1960年代~90年代半ばだったそうな。。。
高度経済成長した時期と完全に重なる時期なのです。
2、人口ボーナス期は終盤になると経済発展にブレーキがかかる
そして、このボーナス期は終わりを迎えます。
なぜだーーー!!?
ボーナス期には下記のような変化が生まれます。
↓
・高度成長期によって生まれた富裕層は子どもに教育投資をして、高学歴化が進みます。(日本でも大学進学率が増えましたよね。)
・高学歴化すると、人件費が上昇します。
・すると世界の仕事が他国へ流れて、仕事が集まらなくなります。(最近は、中国も高くなって他国に生産拠点を移す企業も増えています。)
・また、高学歴化により結婚年齢が上がり、生涯にもつ子どもの数が減ってきて、少子化の社会になります。
・しかも医療や社会保障が充実し始めるので、高齢者の寿命が延びて、さらに社会保障費が増えていきます。
このようにボーナス期は時間が経過すると、高齢化社会となり、国民一人当たりのGDPも横ばいとなります。
バブル崩壊後の日本がたどってきたことです。
3、日本は真っただ中!“経済が停滞する”人口オーナス期
そしてボーナス期が終焉すると、次に人口オーナス期に入ります。
※オーナス(ONUS)とは「重荷、負担」という意味
【オーナス期のポイント】
・働き手が減少し、引退世代が増えるため、一人当たりの働き手が支える高齢者の割合が増えます。
・すると、社会保障制度の維持が困難になる。
(はい。日本はそうなっています。)
日本は主要国で最も少子高齢化の進行が早いスピードで進み、人口オーナス期入りをしたのです!
4、人口ボーナス期・オーナス期に求められる働き方
いかがでしょうか?
人口構成が変わるだけで、いろいろなことが連鎖的に変わっていくことが見て取れます。
こんなに社会や経済が変わっているのに、私たちの働き方はそれほど変わっていない。。。
どのように変わる必要があるのか?
そのヒントを共有します。
【人口ボーナス期に求められた働き方】
1、長時間労働
→作れば売れる時代。大量生産するためには長時間働くことが求められます
2、トップダウン
→経営者から市場を見た時に「売れるもの」「消費者のニーズ」が見えやすく、経営者が持つ“答え”を部下に指示命令を通じて伝えることで、効率よく成果を上げることができる。働き手も代えがきくので、一律に管理して、一定の条件に当てはまらない人材は振るい落とすことも可能だったりする。
【人口オーナス期に求められる働き方】
1、時短で効率的に
→人件費が高騰し経費が増えるため、生産性を上げないと利益が確保できません。
世帯年収が下がっていることや女性の進学率向上も後押しして、共働き世帯も増えています。高齢者の割合も増えるため介護に割かれる時間も増えてきます。
そういった家庭やプライベートに対する時間の使い方が重要になります。
2、ボトムアップ
→経営者から市場を見た時に「売れるもの」「消費者のニーズ」が見えづらく、消費者に近い人材がキャッチしている情報を有効活用する必要性が出てきます。
また新しい価値を生み出すために、社員が提案を上げやすい“関係性”が会社の中で醸成されていることも必要となります。
本日は、以上です。
ありがとうございました!
<参考>
David E. Bloom, Jeffrey G. Williamson[1998]"Demographic Transitions and Economic Miracles in Emerging Asia"
https://www.nber.org/papers/w6268